やまのてのブログ

酒を飲んだら飲まれちゃうからなんとか飲まずに過ごしたい。

代用酒って大丈夫?

前回の記事で紹介した『飲酒文化の社会的役割』の中で、面白いエピソードがあったので、ご紹介します。
【読了】飲酒文化の社会的役割 - やまのてのブログ


前回の記事では、例えば、極端な規制をかけた場合には密造酒などが出回り全体でマイナスとなることもあるということを書きましたが、密造酒とは「非市販酒」のことです。
この非市販酒について、面白い記述があったので、ご紹介したいと思います(P44-45から)。


非市販酒が製造されている国はいくつもあるようですが、特に旧ソ連邦ではもっと進んで(?)いて、「代用酒」が飲まれているという報告が増えてきているそうです。
代用酒とは、アルコールの含まれている、お酒として販売されていない商品のことです。
例えば、アフターシェーブローションや薬用チンキ剤など。
市販のウォッカがアルコール度数44%なのに対して、アフターシェーブローションは約96%、薬用チンキ剤は約66%のようです。
この他にも職業がら入手できるさまざまなアルコール含有製品を利用しているケースが多いと紹介されています。


これはやばいでしょう。
よく「アル中の人は家中のアルコールを飲み尽くす」と聞きます。
でもそれってみりんとか調理用の酒のことじゃないの?と思っていました。
しかし、よく考えたら、中島らもさんの『今夜全てのバーで』でも、消毒用のエチルアルコールを飲むような描写がありました。
上の旧ソ連邦の代用酒に関する記述は、日常生活の中で、そうした行動が広く取られているという報告になるのでしょう。
ちょっと信じられないですね。


報告の中では、次のようなケースも紹介されています。
・外科チームが外科手術終了後に、手術用アルコールを分け合う
・航空技師がミグ戦闘機のタンク除氷剤を飲む
など。
終いにはR2ロケットの燃料をエタノールからメタノールに変えた経緯が、ミサイルを警備する人が飲んじゃうからっていうのだから、もう笑い話ではありません。
国家としても、必死でメタノールを燃料とできるように変更したことでしょう。


こういうお酒にまつわるエピソード集を作ることも、結構面白そうです。
それが事実であれ、伝説であれ、お酒がどう捉えれているかを理解するのに役立つ気がします。
参考記事
やまのてのオフタイム: 【読了】飲酒文化の社会的役割(ジェリー・スティムソン他著、アサヒビール株式会社)

GRDⅣにて。
桃の花ですかね。
その他のGRDⅣの作例はこちら→やまのて写真館

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