やまのてのブログ

酒を飲んだら飲まれちゃうからなんとか飲まずに過ごしたい。

【読了】飲酒文化の社会的役割

酒をやめる上で、飲み会で話を逸らすために酒のうんちくをためておきたいと思い、酒関連の本を読んでいます。
今回は、『飲酒文化の社会的役割(英名:Drinking in Context)』(ジェリー・スティムソン他著、新福尚隆監修、アサヒビール株式会社発行)を読みました。

飲酒文化の社会的役割―様々な飲酒形態、規則が必要な状況、関係者の責任と協力
飲酒文化の社会的役割―様々な飲酒形態、規則が必要な状況、関係者の責任と協力
アサヒビール

長い歴史の中で、人がどうやって酒と関わってきたのか、そこにはどんな価値観があり、どうその地域の文化と繋がったのか、そんなことが学べると思って読み始めたのですが、内容は少し違っておりました。
主に酒害の対策の話がメインです。
どうやったらお酒のマイナスの面を最小限にできるかという問いに対する様々な試みとその評価が詳しく記載されていました。


確かに、こうした政策策定にあたっては、その国、その地域で「どう酒が飲まれているのか」をもとに検討する必要があるため、文化を知らずしては対策ができない、ということで、酒がどんな文化の中で飲まれているのかについていくつかの国の例が出ています。


本書の特異な点は、酒のプラス面を最大化することの意義も強調している点だと思います。
ちょいちょい飲むことのプラス面を強調してくるので、「断酒やめちゃおうかな」と思っちゃったりします。
これじゃぁ冒頭の目的が元も子もなくなります。


日本は酒に酔うことに寛容な文化だと色んな本に書かれておりますが、まぁ海外も似たり寄ったりなところは多いようです。
例えば、ジンバブエでは、ビアホールが最もよく使われている酒場のようなのですが、そこで仲間と飲むのが大きな娯楽になっているのだとか。

「その日、他より金回りの良いものがたくさん買い、他の者もお返しをするのが普通で…おごりおごられるのがビアホールのしきたりであり、一人で飲むものなどいない」

要するに飲むこと自体は仲間との交流ということで、楽しいことだという理解があるわけです。
というか、酒については、多くの国で「楽しみ」として捉えらているようです。
(若者にとっては「大人の世界を体験する道具」のようです)
ただ、楽しみで終わらない人がいることが問題で、そういう問題をどうやって小さくするのか、しかもそれを個々人の楽しみを奪わないように実現するにはどうすればいいのか?
そんな問について議論をする本でした。
ちなみに、これをやればいいという対策はない、というのが結論です。
だからこそ、酒を文化の中で捉えて対策をせよ、という意味でのタイトルなのだと理解しました。


参考記事
やまのてのオフタイム: 【読了】飲酒文化の社会的役割(ジェリー・スティムソン他著、アサヒビール株式会社)


GRDⅣにて。
春っすねぇ。
その他のGRDⅣの作例はこちら→やまのて写真館

×

非ログインユーザーとして返信する